【絵の練習法・上達法】【クロッキー】骨格のカーブ(弯曲)について 

クロッキーとは何か

クロッキー対象(人物の動き・量感など)を素早く描くことです。とくに、短時間で描かれたものをクロッキーといい、スケッチと区別されます。
クロッキーの目的基礎デッサン力を向上させること。「美術解剖学をデッサン・アニメ・漫画に活かす人体クロッキー」という本では、クロッキーの目的は描画力の向上にあると書かれています。初心者が絵を描こうとすると、棒人間のようになりがちであり、筋肉や骨を意識した絵が描けない場合が多いそうです。

「デッサン」をするさいにも、輪郭線・境界線を書きたがり、立体感をうまく表現できていないのです。そこで、「クロッキー」を行うことによって、「デッサン」の精度がより高まることが期待されます。

 クロッキーにおいて大事なのは、「人体の軸」を描くことであり、「肉付け」をすることです。筋肉の収縮や弛緩、骨格や運動を意識しながら描くことが重要です。アニメいやイラストに表されている輪郭線の下には、膨大な情報がつまっているのです。そうした情報を知らないで輪郭線を描いていても、成長は見込めません。

クロッキーについて詳しく:クロッキーとは「線」で表現を表すことです。
 

 線で身体や服などを表現するためには、線にバリエーション(変化)が必要です。線の濃さ、太さ、勢いなどさまざまな変化があります。線を加速させたり減速させたりしてリズムをつくることもできます。自然や人間の曲線パターンを把握して、それに適するような線を描くことができるようになるために、クロッキーをするのです。ビルや本といった人口物は「直線」で描かれていることが多いですが、自然物は「曲線」で描かれていることが多いです。人工物に直線が多いのは、大量生産が容易になるからです。

 適した線を描くためには、筋肉や骨格といった知識の記憶と、その練習が必要となってきます。考えながら描いているうちは遅いですが、記憶が定着して慣れてくると、自然に適した線を描くことができるようになります。よく考えながらクロッキーを行い、記憶を定着させるのです。上手い絵師さんなどが、どうしてこんな線を綺麗に早く描くことができるのだろうと思ったことがあるひとがいるでしょう。それは知識と練習の賜物なのです。一石二鳥ではてにはいりません。 クロッキーとデッサンと模写を組み合わせて基礎を理解することからまずはじめましょう。

骨格の弯曲(わんきょく)について

弯曲(わんきょく)とは:曲がって弓形であること。
前弯(ぜんわん)とは:前に向かって弧を描いているということ。

弧:弓形にまがった形。

後弯(こうわん)とは:後ろに向かって弧を描いているということ。
骨格の弯曲:基本的に骨格には直線は一つもありません。骨格は弧を描いていたり、ねじれたり、湾曲しています。骨格を直線的に描いてしまうと、不自然な人間を描いてしまうことになるのです。
クロッキーと骨格の弯曲:骨格の弯曲を理解することで、人間を描くときに自然にクロッキーができるようになります。
人体の骨格がカーブを描いている理由歩行などの運動による振動から脳を守るためということが挙げられます。カーブしやすいことで、体重を支えやすいということも挙げられます。

イメージとしてはこのような感じです。

クロッキーと骨格

人間の骨を描き足すとこのようになります。

クロッキーと骨格-2

全体図:骨格

体軸と骨格の関係について

体軸とは:体を支える表現上の軸です。

体軸は人間が重力に逆らって体を支えるために必要な中心の軸です。ポーズによって体軸は変化します。右に重心が傾けば、その傾きにしたがって体軸も弯曲して傾きます。体軸を理解して、体のバランスを保てている絵を描けるようになるためには、体軸の理解が不可欠です。

体軸と骨格の関係体軸は骨格に合わせて湾曲しています。体幹の骨格は、頚椎(けいつい)から尾骨(びこつ)にいたるひとつひとつの椎骨(ついこつ)が少しずつ位置を変えることができ、体軸に影響を与えています。
体軸と画力の関係:体軸を意識できる王になると、重力を意識できるようになります。そして、どのように人間がバランスをとっているかを理解できるようになり、より自然な絵を描くことができるようになります。

クロッキーと骨格-3

正面と側面の体軸の見え方の違いについて

正面と側面の体軸の見え方の違いについて

骨格のアーチについて

骨格のアーチ

第一弯曲:頚椎(けいつい)

クロッキー-頚椎

クロッキー-頚椎2

第一弯曲:頚椎(けいつい)

個の椎骨(ついこつ)で構成されている部位です。頚椎は正面から見ると「直線」に見えますが、横から見るとカーブ(弯曲)して見えます。顔を上げた場合も頚椎はカーブします。しかし、下をむく場合は直線に近くなります。

第一弯曲〜第四弯曲は「体幹(」です。胴体や脊柱がある部分のことを体幹といいます。

第二弯曲:胸椎(きょうつい)

第二弯曲:胸椎
第二弯曲:胸椎(きょうつい)

鋤骨が接続する12個の椎骨(ついこつ)で構成されています。胸郭(きょうかく)内に内蔵を収めているため、後ろにカーブを描いているそうです。背柱(はいちゅう)という部分が伸展しているので、(後ろ側が)やや直線に近くなります。

第三弯曲:腰椎(ようつい)

第三弯曲:腰椎
第三弯曲:腰椎(ようつい)

5つの椎骨(ついこつ)で構成されています。前に向かってカーブしています。背柱(はいちゅう)が屈曲しているので、胸椎よりも後ろにカーブします。

第四弯曲:骨盤(こつばん)

第三弯曲:腰椎

第4弯曲-:骨盤(ようつい)

第四弯曲:骨盤(こつばん)

仙骨(せんこつ)と尾骨(びこつ)から構成されています。骨盤は後弯しています。ポーズに酔って骨盤傾斜(骨盤が傾く角度)が変化するそうです。

第五弯曲:大腿骨(だいたいこつ)

第五弯曲:大腿骨
第五弯曲: 大腿骨(だいたいこつ)

大腿骨の上端にある球場の間接を大腿骨頭(だいたいこっとう)といいます。この大腿骨頭は骨盤に接続するための骨です。大腿骨はゆるやかに外側に弯曲しています。横から見ると、前弯しているように見えます。

第六弯曲:脛骨(けいこつ)

第六弯曲:脛骨

全体図:骨格

第六弯”曲”:脛骨(けいこつ)

脛骨はやや外側に弯曲していますが、足首の関節に向かって内側にも湾曲している複雑な骨です。横から見ると、前方で前弯しながらも尾方にむけて後弯しているように見えます。脛骨の役割としては、腓骨と合わせて体重を一気に引き受け、分散させる役割があります。

toki

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・人体の描き方関連

やさしい人物画

ルーミスさんの本です。はじめて手にした参考書なので、バイブル的な感じがあります。

人体のデッサン技法
ジャック・ハムも同時期に手に入れましたが、比率で考えるという手法にルーミス同様に感動した覚えがあります。ルーミスとは違う切り口で顔の描き方を学べます。

・解剖学関連

スカルプターのための美術解剖学: Anatomy For Sculptors日本語版

スカルプターのための美術解剖学 2 表情編

一番オススメの文献です。3Dのオブジェクトを元に作られているのでかなり正確です。顔に特化しているので、顔の筋肉や脂肪の構造がよくわかります。文章よりイラストの割合のほうが圧倒的に多いです。驚いたときはどのような筋肉構造になるか、笑ったときはどのような筋肉構造になるかなどを専門的に学べることができ、イラスト作成においても重要な資料になります。

アーティストのための美術解剖学

こちらはほとんどアナログでイラストがつくられています。どれも素晴らしいイラストで、わかりやすいです。文章が少し専門的で、難しい印象があります。先程紹介したスカルプターのための美術解剖学よりも説明のための文章量が圧倒的に多く、得られる知識も多いです。併用したほうがいいのかもしれません。

・遠近法関連

パース!

これが一番おすすめです。難易度は中です。

超入門 マンガと図解でわかる! パース教室

これは難易度は小ですが、とてもわかりやすく説明されています。

スコット・ロバートソンのHow to Draw -オブジェクトに構造を与え、実現可能なモデルとして描く方法-

難易度は大ですが、応用知識がたくさんあります。

・色関連

カラー&ライト ~リアリズムのための色彩と光の描き方~
やはりこれですかね。

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