【比率・プロポーション】正面の鼻の描き方を研究する

正面の鼻を分析する

ごあいさつ

こんにちは。久しぶりすぎて、他の頭部の比率をほとんど覚えていません。

第3回:グリッドで人間の正面の顔を描く方法について考える-眉弓と側頭窩の描き方編

とりあえず前回の頭部の比率を復習します。今見てきましたが、なにか役立たそうなこととを延々とやっているような予感をさせる記事でした。

しかし三本の線から頭部を構成したのはなかなかよいのではないでしょうか。しかも「円」を使わずにです。とはいえ等間隔に線を引くスキルが前提となります。デジタルならおおよそのアタリとして使えるので、一度顔をつくればあとはサイズを変形して使えばOKですね。デジタルの下描きとしてアナログで使う場合も、青い色でアタリを描けば読み込みの際に黒い色だけ反映するようにもできます。

頭部を3本の線から構成する(復習)

比率を覚える本質は「顔を描く際に毎回すべてのグリッド線を引いてただしい顔を描く」ということではありません。

標準的な比率を一度覚えることで、不自然な顔に対して敏感な感覚を持つ、くらいの曖昧な「審美眼」を身につけることにあります。たとえば目を2つ描いてください、といわれたときにそういえば目と目の間の幅は目一つ分だったな、このくらいかな、と「ざっくり」描いていいのです。たとえば最初に5つの線を使わなくても、目から描き始めればその目の幅が1つの基準となります。口から描き始めればその口の幅が基準、といったようにどこからでも顔が構成できるようになることを目指します。そしてその構成の比率はそれぞれの研究において、それぞれの価値判断によって考え出された比率なわけです。日頃美しいと思った漫画やアニメの顔の比率を分析して覚えて、数値化して、再現するといったことも勉強になると思います。

もちろん、標準的な比率を「崩す」こと、あるいは「抽象化」することで「個性や美、魅力といった価値」がうまれます。目と目の間が目の幅だと、キャラが魅力的にならない。だから目をもっと大きくしてみよう!と自分で考えていくことこそ大事だと思います。その結果できあがった新しい「比率」は忘れないように自分で分析してメモしていき、その「自分の比率」にずれていないかをチェックするという新たな指標にできます。

いわば「比率の考え方」をこの記事で学んでいるだけであり、「正解の比率」を学んでいるわけではないわけです。絵を描く際に「かわいいキャラクターを描きたい」と思う人はいるでしょうが、「標準的な人間を描きたい」と思う人は少ないかと思います。

12歳の男子の標準の顔、25歳の女性の標準の顔、アジアの、西洋の、アフリカの、、、、といったように標準は年齢、性別、国籍等で多様に構成できます。その個別的な標準の中にさらに個性的な要素が入り、さらにそこからアニメ・漫画の抽象化という要素が入るわけです。そんなものいちいち覚えていられるか、ということになり「資料」が必要になります。それが写真だったりするわけですが、「比率」の場合は応用性がききやすくなります。とくに1から自分でキャラクターを作る場合は再現性という意味で比率の理解は必要だと思います。

そういう意味ではルーミスは数多くの個別な標準のひとつの形態にすぎません。しかしアジア系ならすこし目を細くするか、女性ならすこし頭部を小さくするか、というように「ルーミス的な顔からの崩し」によって形成することも可能になります。そういう意味ではルーミスの顔は原石であり、素材として活用することができます。

個人的には、「線の等分の感覚」と「分割による比率の感覚」あたりは頭の中で組み立てられるようになることで表現の幅が広がると思います。絵を模写する際も、ある線とある線の関係が1/4だな、といったような判断を瞬時にできると正確性が高まります。こういうものは知識というより、筋トレに似ています。体で覚えるものです。

グリッド理論の目的
  1. 標準的な比率を覚えてある種の審美眼(バランス感覚)を鍛える
  2. 標準的な比率の設定方法を覚えて自分の比率を作り出す
  3. 比率の感覚を身に着けて絵の表現に活かす

と言った感じでしょうか。

(1)三本の線を引く

私の汚いアナログ線を延々と見せるわけにはいきませんので、デジタル線でお送りいたします。

みなさんはアナログでもデジタルでもどちらでもかまいません。

ステップ1:三本の線を等間隔に横に引く

三本の線をひきました。この三本の線のうちの1本の線をベース1とします。ベース1の長さの線が三本あるということです。

(2)縦に三本伸ばす

 

同じ長さの線を、縦に三本伸ばします。

(3)ベース1を二分割する

すべて2分割する必要はありません。まずは先程縦に伸ばした線を、上と下だけ二分割します。

(4)横幅の三分割を基準にして、線を引く

言い方が下手すぎますね。なんだろう。直角三角形を作る、とでもいえばいいのでしょうか。青い線を基準にして直角三角形を作る場合、45°の角度である必要があります。45°+45°+90°で直角三角形です。

厳密に言えば1:1:√2になるような関係の直角三角形になるように、という感じでしょうか。

別に直角三角形を意識しなくても、単純に中央のベースを基準にして線をひけばいいだけです。

これでこの範囲はすべて頭部になります。これだけでも意外と役立ったりします(多分)。

絵というものは線を確定するというより、面を確定するという考え方もあるのです。

(5)ベースを2つ増やす

最初のベースに2つ線を加えていきます。顔の構成論としては横幅が5,縦幅が7というものがあります。ただし実際に横幅はもうすこし短く、実際には4.75くらいですね。

(6)3:1:√5の三角形をつくる

前回これを「 耳接続三平方ポイント 」と表現していましたが、覚えにくい概念だったかもしれません。

一応解説します。まず3つの正方形を想定して、ここに直角三角形があるとします。この直角三角形は一辺が1、もう一辺が2です。ちょうど1ベースの長さ、2ベースの長さに相当しています。

三平方の定理とは、直角三角形(つまり90°の角をもっている三角形)の場合、二辺がわかれば斜辺がわかるというやつです。1^2+2^2=x^2となり、計算すると√5(2.2くらい)になるという話です。別に√5を覚える必要はありません。二つの立方体の角を結ぶと、√5になるというだけです。

もうひとつ直角三角形をつくります。こちらは一辺が1,もう一辺が1です。したがって、計算すると√2(1.4くらい)になります。ふたつの直角三角形をつくると、もうひとつの三角形が生まれます。これが√5:√2:3の三角形というわけです。

別に線を引く際に計算するわけではないですが、記憶しやすくなるので便利かもしれません。絵を描く際に、このように数学的な知識を使うと、絵に正確性が出やすいかもしれませんね。

おなじことをさきほどの顔でもするわけなのですが、問題は分割の数が増えてしまうということです。この三角形をつくるためには、1ベースを8分割する必要があります。この線自体もあまり厳密ではないので、拘る必要はありません。すこし「凹む」くらいの感覚でもOKです。

とりあえず4分割くらいなら脳内でも補完可能ですね。耳をふくめれば5ベース使うかもしれませんが、頭部の形成としては4.75しか使いません。つまり、両端の1ベースの1/4ずつはカットするということです。

このカットの境目がポイントになります。なぜなら、先程の「耳接続平方根ポイント」がくるからです。

縦に1/4、下にさらにその半分の1/8を加える感覚です。1/4の半分という感覚を使うだけなので、そこまで難しくないですね。1/8を1ベースとすれば、さきほどの3が3/8になります。残りは√2と√5を構成するだけです。

ただこの方に考えたほうが面白いからそうしているだけで、別の道もあると思います。

すこし話を脱線するのですがジャック・ハム法では同じように5*5の円をつくって、そこから幅をカットするという方法があります。ではどのあたりをカットするのか?という問題になってきたときに、「3.5」という数字を基準にします。3.5とは、顔の半分の位置です。なぜなら顔の高さは7だからです。この3.5と一致する点が、カットの基準になるわけです。

この基準が、おおよそベース1の1/4です。この1/4がさきほどの、「耳接続の三平方」の境目ということになります。

また話が変わりますが、球体から十字を作ると、上下に値としては2.5ずつできますよね。

全体として7を形成したい場合は、下に2を追加する必要があります。

2を追加するためには、2.5を基準にする必要があります。

そこで、2.5を5分割します。デジタルならこのようにする必要はないのですが、アナログを想定して、自由に描いた球体とその十字から5:7を構成する方法は?と考えるわけです。最初から5分割の十字をつくれば、2を足すだけでいいのですが、球体から描くほうがアタリがしっくり来る方もいるはずです。というより「丸に十字」といわれるように、「十字に丸」ではないのが一般的な方法論ですからね。

いやいやそもそも、5分割ってどうやってするの?という話もあるわけでして。

こんなかんじで5分割をつくっていくことも、できなくはないですが・・。しかしまあ、なんというか。だったら定規使うわ!という感じだと思います。いずれにせよ3ベースからはじまる議論は、「正面図ど真ん中」でしか使えないので、応用可能性が低すぎるんですよね。すこし横を向いただけであれ、どうやるんだっけ?となってしまいます。しかし正面図の比率、側面図の比率、45度の比率、といったように積み重ねていけばいいのではないかと思います。比率は何億通りもあるかもしれませんが、実際に使うのは数十通りだと思います。その資料を準備すればいいわけです。

もちろん直感的に、斜めを向いた写真を資料として描くということも可能ですし、3Dを資料にするというのも可能だと思います。同様に、比率をストックするというのもまた、有用である可能性を秘めています。

(7)「耳の接続」から「頭部の上部」へ向けて線を伸ばす。中継地。

中継地は上から数えて1と3/4、下から数えて5と1/4の位置にあります。

記憶の方法としては、先程「耳の接続」で1/4を使ったので、1にその1/4をつけたすイメージです。

この位置から、最初に作った頭部の線まで線を引いていくだけです。

鼻のプロポーションを考える

ルーミス的な解釈をするべきか

かなり大雑把に考えて、鼻はこのあたりになります。つまり、目の幅2つ分の高さと、目の幅一つ分の幅をもっているわけです。

次に知りたい情報は、鼻翼の高さです。

そうですね、1/2ベースくらいかもしれません。

簡易的にこのような線を見出すことができます。

1:2つの正方形

まず2つの正方形を想定します。幅はベース1です。つまり目の幅と同じです。

2:下の正方形を分割

下の正方形を分割します。

3:1/4を基準に縁(ふち)を削る

言葉がうまくみつかりませんが、さきほど作った1/2の正方形の縁を上下にとっていきます。ただし下は正方形からはみ出す形でとっていきます。

あえていうなら45°斜線を小さく内側に向けて引くということかもしれません。

4:中央に線を引く

上の立方体も分割して、中央に1ベースの1/4の幅の線を作ります。

5:最初の1/4の縁の大きさを利用して組み立てる

同じ角度、同じ大きさ、同じ高さの線をつくっていきます。

あとはつけたしていくだけです(すこし強引ですが)。

前回の目のサンプルを使って、今までのものを統合するとざっくりとこのような概要になります。まだ口や下顎は分析していません。

ルーミスのモデルを使うと、目はもうすこし違う形になるかと思います。

第2回:グリッドで人間の正面の顔を描く方法について考える-眼の描き方編

目については前回分析しましたが、正直あまり比率に関しては確定できていません。目の比率ほど個性で左右される要素は無いと思っているので、あまり厳密に確定する必要性は無いかと思います。

どのモデルが正しい、正しくないという話ではありません。標準的なものはどれか?という話なので、できるだけルーミスを採用したい気持ちが強いです。

ルーミスの比率を知ったところで、ルーミスの比率をそのまま使ったイラストを描く人はあまりいないと思います。あくまでも審美眼をつけるための練習に過ぎません。3dcgモデルのlexを基準として、ルーミスも参照としながら、二次元の抽象化へ向けて比率を自分で操作する、といったような方向性もあるわけです。たとえるならかき氷のシロップにおける砂糖のようなもので、色付けが済んでいないといったところでしょうか。

【構造】鼻の形状に関する理解を目指す

あとは前回の鼻の構造と絡めて、自分の鼻の形成について研究する必要があると思います。次回は口をblenderで一度作って形態を感覚的に理解してから、解剖学的知識をまとめてみたいと思います。

おすすめ文献

ルーミスとジャック・ハム(人体の描き方関連)

ルーミスさんの本です。はじめて手にした参考書なので、バイブル的な感じがあります。

ジャック・ハムも同時期に手に入れましたが、比率で考えるという手法にルーミス同様に感動した覚えがあります。ルーミスとは違う切り口で顔の描き方を学べます。

解剖学関連

一番オススメの文献です。3Dのオブジェクトを元に作られているのでかなり正確です。顔に特化しているので、顔の筋肉や脂肪の構造がよくわかります。文章よりイラストの割合のほうが圧倒的に多いです。驚いたときはどのような筋肉構造になるか、笑ったときはどのような筋肉構造になるかなどを専門的に学べることができ、イラスト作成においても重要な資料になります。

これは顔以外の解剖学的知識も含まれている文献です。顔以外の解剖学も学びたいという方はこちらも購入するといいと思います。というより人によってはこちらだけでもいいかもしれません。

こちらはほとんどアナログでイラストがつくられています。どれも素晴らしいイラストで、わかりやすいです。文章が少し専門的で、難しい印象があります。先程消化たたスカルプターのための美術解剖学よりも説明のための文章量が圧倒的に多く、得られる知識も多いです。併用したほうがいいのかもしれません。

遠近法関連

これが一番おすすめです。難易度は中です。

これは難易度は小ですが、とてもわかりやすく説明されています。

難易度は大ですが、応用知識がたくさんあります。

色関連

やはりこれですかね。

 

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ルーミスさんの本です。はじめて手にした参考書なので、バイブル的な感じがあります。

ジャック・ハムも同時期に手に入れましたが、比率で考えるという手法にルーミス同様に感動した覚えがあります。ルーミスとは違う切り口で顔の描き方を学べます。

解剖学関連

一番オススメの文献です。3Dのオブジェクトを元に作られているのでかなり正確です。顔に特化しているので、顔の筋肉や脂肪の構造がよくわかります。文章よりイラストの割合のほうが圧倒的に多いです。驚いたときはどのような筋肉構造になるか、笑ったときはどのような筋肉構造になるかなどを専門的に学べることができ、イラスト作成においても重要な資料になります。

これは顔以外の解剖学的知識も含まれている文献です。顔以外の解剖学も学びたいという方はこちらも購入するといいと思います。というより人によってはこちらだけでもいいかもしれません。

こちらはほとんどアナログでイラストがつくられています。どれも素晴らしいイラストで、わかりやすいです。文章が少し専門的で、難しい印象があります。先程消化たたスカルプターのための美術解剖学よりも説明のための文章量が圧倒的に多く、得られる知識も多いです。併用したほうがいいのかもしれません。

遠近法関連

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難易度は大ですが、応用知識がたくさんあります。

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