目次
アバドンとは
意味
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「アバドン」とは?意味と定義
・アバドン(Abaddon):底なしの淵のイナゴたちの王。『ヨハネの黙示録』に登場した悪魔。名前の由来はヘブライ語のabad(彼は殺した)だといわれる。アバドンを現すギリシア語の名詞はアポルオン(破壊者)。破壊者は悪魔の支配者という使われ方や、底なしの穴(深淵)という使われ方もする。『ヨハネの黙示録』では人間を襲うイナゴたちの王として、『ヨブ記』や『箴言』では冥界(シュオール)という意味でも使われている。
イナゴたちは「戦陣におもむく馬に似ていて、頭には金の冠、顔は人間のようで髪を伸ばしていて、歯は研ぎ澄まされていてライオンのようであり、胸には鉄製の胸当てのようなものがあり、羽の音は戦車のような轟音で、尾はサソリのような針がある」と『ヨハネの黙示録』には記されている。アバドンの姿の記載はない。
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アバドンに関するエピソード
『ヨハネの黙示録』:イナゴたちの王
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「ヨハネの黙示録」とは?意味と定義
・ヨハネの黙示録:新約聖書の最後に配された聖典であり、新約聖書の中でも唯一、預言書的性格を持つ書。黙示録はキリスト教徒の間でも解釈と正典への受け入れをめぐxrつて多くの議論を巻き起こしてきた書物。著者ヨハネと自ら名乗り、終末において起こるであろう出来事の幻を見たと語っている。黙示録の成立はドミティアヌス帝時代の紀元96年頃だといわれている。
(1)黙示録にはサタンに関する記述がある。
第十二章九節「かの大いなるドラゴン(drakon o megas)、すなわちデヴィル(Diabolos)と呼ばれ、サタン(Satanas)と呼ばれたる全世界をまどわす古き蛇(ophis a archaios)は地に投げ落とされ、その天使たちもともに落とされたり。」
(2)黙示録にはアバドンに関する記述がある。
第九章十一節「いなごは、底なしの淵の使いを王としていただいている。その名はヘブライ語でアバドンといい、ギリシア語の名はアポリオンという。」
9:1
第五の御使が、ラッパを吹き鳴らした。するとわたしは、一つの星が天から地に落ちて来るのを見た。この星に、底知れぬ所の穴を開くかぎが与えられた。
9:2
そして、この底知れぬ所の穴が開かれた。すると、その穴から煙が大きな炉の煙のように立ちのぼり、その穴の煙で、太陽も空気も暗くなった。
9:3
その煙の中から、いなごが地上に出てきたが、地のさそりが持っているような力が、彼らに与えられた。
9:4
彼らは、地の草やすべての青草、またすべての木をそこなってはならないが、額に神の印がない人たちには害を加えてもよいと、言い渡された。
9:5
彼らは、人間を殺すことはしないで、五か月のあいだ苦しめることだけが許された。彼らの与える苦痛は、人がさそりにさされる時のような苦痛であった。
9:6
その時には、人々は死を求めても与えられず、死にたいと願っても、死は逃げて行くのである。
9:7
これらのいなごは、出陣の用意のととのえられた馬によく似ており、その頭には金の冠のようなものをつけ、その顔は人間の顔のようであり、
9:8
また、そのかみの毛は女のかみのようであり、その歯はししの歯のようであった。
9:9
また、鉄の胸当のような胸当をつけており、その羽の音は、馬に引かれて戦場に急ぐ多くの戦車の響きのようであった。
9:10
その上、さそりのような尾と針とを持っている。その尾には、五か月のあいだ人間をそこなう力がある。
9:11
彼らは、底知れぬ所の使を王にいただいており、その名をヘブル語でアバドンと言い、ギリシヤ語ではアポルオンと言う。
『ヨハネの黙示録』
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『ヨハネの黙示録』ではアバドンがイナゴの王として登場します。
イナゴ(蝗、稲子、螽)は、直翅目・バッタ亜目・イナゴ科(Catantopinae)に属するバッタ類の総称(イナゴ科をバッタ科と分けない場合もある)。日本では稲を食べる害虫とされると同時に水田から得られる重要なタンパク源として扱われ、多くの地域で食用とされた(WIKI)。
*1
イナゴは日本では稲を食べる害虫であり、食用として捕獲されることもあるそうです。また旧約聖書では虫は食べてはいけないものとされていますが、イナゴは例外とされているそうです。「アルべ、サールアーム、ハルゴール、ハーガーブ」の四種類は食べていいとされています(『レビ記』)。イナゴの類、毛のないイナゴの類、こおろぎの類、ばったの類などと訳されることがあるようです。
イナゴは近年アフリカで問題になっているように、農作物を食い荒らす害虫としての側面もあります。飢餓に実際に結びついているそうです。そうした害虫の象徴として、悪魔になったという考えもできます。
アバドンは悪魔であり、イナゴは悪魔の使いです。見た目はイナゴでも、その行動は一般的なイナゴとは異なります。稲などの穀物や植物を食べるわけではなく、人間を攻撃する昆虫として描かれています。神への信仰が乏しい人間がその対象となり、殺すことなく5ヶ月間苦しめ続けるそうです。
アバドンは第5の御使いによるラッパで登場します。『ヨハネの黙示録』では7人の神の御使いがそれぞれラッパをもっています。
8:7
第一の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、血のまじった雹と火とがあらわれて、地上に降ってきた。そして、地の三分の一が焼け、木の三分の一が焼け、また、すべての青草も焼けてしまった。
8:8
第二の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、火の燃えさかっている大きな山のようなものが、海に投げ込まれた。そして、海の三分の一は血となり、
8:9
海の中の造られた生き物の三分の一は死に、舟の三分の一がこわされてしまった。
8:10
第三の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、たいまつのように燃えている大きな星が、空から落ちてきた。そしてそれは、川の三分の一とその水源との上に落ちた。
8:11
この星の名は「苦よもぎ」と言い、水の三分の一が「苦よもぎ」のように苦くなった。水が苦くなったので、そのために多くの人が死んだ。
8:12
第四の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、太陽の三分の一と、月の三分の一と、星の三分の一とが打たれて、これらのものの三分の一は暗くなり、昼の三分の一は明るくなくなり、夜も同じようになった。
9:1
第五の御使が、ラッパを吹き鳴らした。するとわたしは、一つの星が天から地に落ちて来るのを見た。この星に、底知れぬ所の穴を開くかぎが与えられた。
第六の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、一つの声が、神のみまえにある金の祭壇の四つの角から出て、
9:14
ラッパを持っている第六の御使にこう呼びかけるのを、わたしは聞いた。「大ユウフラテ川のほとりにつながれている四人の御使を、解いてやれ」。
9:15
すると、その時、その日、その月、その年に備えておかれた四人の御使が、人間の三分の一を殺すために、解き放たれた。
10:7
第七の御使が吹き鳴らすラッパの音がする時には、神がその僕、預言者たちにお告げになったとおり、神の奥義は成就される」。
『ヨハネの黙示録』
七人の御使い(天使)がラッパを鳴らすと地上がめちゃめちゃにされるわけですが、いわゆる終末予言の一種です。最後の審判などといわれるものですね。第5のラッパが鳴るとアバドンが現れ、イナゴたちは人間を苦しめます。しかし神の印を受けたもの、つまり神を信仰していたものはイナゴに襲われないのです。そういう意味では選別されている、審判を受けているともいえます。
アバドンの姿
アバドンの姿が記されているものはありませんが、『ヨハネの黙示録』にイナゴの姿の説明があります。
それによると「戦陣におもむく馬に似ていて、頭には金の冠、顔は人間のようで髪を伸ばしていて、歯は研ぎ澄まされていてライオンのようであり、胸には鉄製の胸当てのようなものがあり、羽の音は戦車のような轟音で、尾はサソリのような針がある」そうです。化け物ですね。
画像を調べると、このイラストがイメージに近そうですね。
アバドンが住んでいる場所
「彼らは、底知れぬ所の使を王にいただいており、その名をヘブル語でアバドンと言い、ギリシヤ語ではアポルオンと言う(『ヨハネの黙示録』第9章11節)」
とあるので、アバドンは底知れぬ所、いわゆる底なしの淵に住んでいそうですね。これは地獄なんでしょうか。第5の天使がラッパを吹くと、星が天から落ちてきて、そこの知れぬ所への鍵が開き、底なしの穴が開かれるそうです。そこからアバドンと、彼が率いるイナゴが大量に煙とともに出てきて空を埋め尽くし、暗くするそうです。
アポルオン(アポリオン)はギリシア語で破壊者という意味があるそうです。またアバドンは「滅びの国」も意味しているといいます。
アバドンは人間に対して何をするか
アバドンとサソリは神に命じられて地上を襲っているようにみえます。なぜならアバドンは神に地上の草木を襲うことを禁じられ、神の印があるものへの攻撃も禁じられ、また人間を殺すことも禁じられているからです。
ではなにをするのか。人間を殺さず苦しめるそうです。サソリのような尾の針の毒は人間を死に至らせませんが、5ヶ月間痛みでのたうち回ることしかできないようにしてしまうそうです。
冥界をさす場所としてのアバドン
ヘブライ語で冥界をシュオール(sheol)といいます。アバドンという言葉はヘブライ語のabad(彼は殺した)に由来していて、もともと「滅びの国」という意味があったそうです(『図解悪魔学』)。 つまり場所としての由来もあるのです。
実際にabaddonは旧約聖書の『ヨブ記』や『箴言』でユダヤの冥界シュオールを指す言葉として用いられていたそうです(『図解悪魔学』)。『ヨハネの黙示録』でabaddonという言葉はイナゴの大群の王として扱われるようになります。
『天路歴程』:破壊者としてのアポルオン
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「天路歴程」とは?意味と定義
・天路歴程(てんろれきてい,The Pilgrim’s Progress):1678年頃にイギリスのジョン・パニヤンによって書かれた寓意物語。寓意とは「ある意味を直接には表さず、別の物事に託して表すこと」。破滅の町に住んでいたクリスチャンが虚栄の市や破壊者アポルオンとの死闘をくりひろげて天の都にたどりつくという内容。
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アポルオン(アポリオン)は元々ギリシア語で「破壊者」を意味するそうです。このアポルオンという言葉が広く知られるようになったのが、『天路歴程』という寓話小説だそうです。WIKIいわくこの小説はプロテスタント世界で最も多く読まれた宗教書だそうです。ちなみにPilgrimは異邦者を意味してるそうです。
アバドンのギリシア語名がアポルオンです。つまり天路歴程に登場する破壊者アポルオンは、アバドンというふうに解釈できます。『天路歴程』によればアポルオンはあまりにもグロテスクな姿であらわれるため、正当な手段で招喚したものでさえも震え上がった死ぬ場合もあるそうです。
アバドンは天使??
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「ウィリアム・ブレイク」とは?意味と定義
ウィリアム・ブレイク(1757-1827):イギリスの詩人、画家。預言書『ミルトン』で有名。
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『悪魔の辞典』では「ウィリアム・ブレイクは底無しの窖(あなぐら)の天使について理解を深くして、アポルオンには救済の要素が働いていると見た。アポルオンについて、その役割は『永遠に投げ捨てられるように、肉体を<虚偽>に与えることだと、ロスにいわせている(『ジュルサレム』)』とあります。
文脈的にいえば底無しの窖の天使=アポルオン=アバドンですよね。つまりアバドンは天使とここでは解釈されているのでしょうか。アバドンが天使であると明確に記載れている文献が見つからないので、解釈なんでしょうかね。
マステマとアバドン
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「マステマ」とは?意味と定義
・マステマ(Mastema):旧約聖書偽典『ヨベル書』に出てくる悪魔(堕天使)。アザゼルと同じように人間の娘との間に子を作り、その子がやがて巨人となり、地上に厄災をもたらしてしまう。マステマはそうした堕天使たちの指導者だった。堕天使はやがて悪霊となり、神によって滅ぼされることが決まったが、そこでマステマが神に命乞いをして悪霊のうち10分の1を残してもらうことになった。そしてマステマは残った堕天使たち、つまり悪魔たちの指導者となったのである。マステマはは『ヨベル書』ではサタンと同一視されている。名前はヘブライ語の「悪意(Mastermah)」、あるいはアラム語の「非難者(Mastima)」からとったといわれている。マスティマ、マンセットともいう。
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悪魔は神の使いという説はたしかマステマでありましたね。神は悪霊の10分の9を地獄へ落とし、残りの10分の1をマステマの配下とし、悪行を働く自由を得させたという話です。もともと悪魔は元天使です。マステマは悪魔に言うことを聞かせるからすべての悪霊(悪い行いをした天使)を地獄へ落とさないでくれと神に嘆願していました。
つまり悪魔はマステマを通じて、神の言うことをきくのではないかということです。あるいは、アバドンとその使いは悪魔ではなく、神の言うことを聞く怪物かもしれませんね。あるいはアバドンは天使かもしれません。解釈次第ですね。
深淵とはなにか
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「深淵」とは?意味と定義
・深淵(しんえん,英:Abyss;アビス):『黙示録』の秘境的解釈では、深淵は「進化の過程の行き止まり」であり、「デーモンの王国」であり、人間(あるいはある種の人間)が最終的に落ち込む場所。果てしない懲罰の行われる永遠の場所(「悪魔の辞典」)。
いわゆる「地獄」と同一であるかは定かではない。フレッド・ゲディングズによれば「永遠の苦しみの場としての地獄は初期キリスト教の草案になるもの」らしく、「秘境的な深淵を誤解したもの」らしいです。永遠の苦しみの場としてではない「地獄」はハーデースのような、「死後の霊の土地」という意味があります。
もっともダンテの『神曲』ではトマス・アクィナス的な贖罪の理論が取り入れられ、地獄は贖罪の場としてのイメージが強くなっています。世間一般な地獄のイメージはこの『神曲』からきているのかもしれません。
底なしの穴(深淵)にはアバドンが住んでいるといわれています『ヨハネの黙示録』。
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アバドンは底なしの穴の王です。底なしの穴とはいわゆる「深淵」です。天から星がふり、深淵は開けられるわけですが、この深淵とはいったいなんでしょうか。『ヨハネの黙示録』を見る限り、アバドンやイナゴのような怪物、悪魔が存在している場所です。
フレッド・ゲディングズの『悪魔の辞典』によれば、深淵とは「悪魔の王国」と解釈されることが多いようです。あるいは「進化の過程の行き止まり」と表現されています。人間、あるいは特定の人間がこの深遠に落ち込むと解釈する場合があるようです。結局『ヨハネの黙示録』における「底なしの穴」をどう解釈するかなんですよね。
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「ハデス」とは?意味と定義
冥府(めいふ,hades):陰府ともいう。冥界を指す場合と冥界の支配者(ハデス)を指す場合がある。冥界とは人が死後におとずれる場所、つまりは”死者の国”であり、いわゆる”地獄そのもの”を意味していない。
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人間が落ちる場所と聞くと、いわゆる「地獄」を想像しますよね。そして我々の一般的なイメージでは地獄では悪人が懲らしめられる場所ですよね。どうやら古典時代における地獄は必ずしも苦しみの場ではなく、「死後の霊の土地」という意味に近かったそうです。いわゆる冥府です。
いわゆる煉獄(れんごく)も古典時代では「死後の霊の土地」に相当するものだったそうです。しかし今では贖罪の場として解釈する傾向が強くなっています。ダンテの『神曲』における地獄も、贖罪のイメージが強いです。
そもそも悪魔はどこに住んでいるのかという問いにもさまざまな解釈がありすぎるのです。地獄に住んでいる説、空中に住んでいる説、人の中に住んでいる説とさまざまです。地獄で人間を拷問している悪魔がいたとして、誰に雇われているのか、雇われていないのかも答えがないです。宗教は結局抽象的な話になるので、具体性を求めてもしょうがないですね。
深淵は悪魔の王国であり、死後の霊の土地という解釈でいいのではないでしょうか。ダンテが解釈した、贖罪的な地獄及び煉獄を深淵と解釈してもいいと思います。あるいはそのどちらでもない、ただ怪物が封印されていた場所という解釈でもできます。創作には便利そうですね。
アバドンの階級:復讐の女神
位階 | 悪魔の種類の名前 | 意味 | 君主あるいは支配者 |
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1 | プセウドテイ | 偽神 | ベルゼブブ |
2 | スピリトゥス・メンダキオルム | 嘘の霊 | ピュートーン |
3 | ウァサ・イニクィタティス | 不正の器 | ベリアル |
4 | ウルトレス・スケロルム | 犯罪の復讐者 | アスモデウス |
5 | ブラエスティギアトレス | 奇跡の模倣者 | サタン |
6 | アエリアエ・ポテスタテス | 空の軍勢 | メリジム |
7 | フリアエ | 復讐の女神 | アバドン |
8 | クリミナトレス | 中傷者 | アスタロト |
9 | テンタトレス・マリゲニー | 悪の誘惑者・鬼神 | マモン |
この表は16世紀の魔術師アグリッパの『隠秘哲学』をもとに作られているそうです。あるいはマクリーンが編集した「邪悪なデーモンの位階」です。
フレッド・ゲディングズによればデーモンの位階と天使の位階が対応しているのを深読みして象徴的な重要性があると考えるのは思慮がなく軽率なことだと言っています。もっとも創作のネタとして使うなら十分だと思います。フレッド・ゲディングズによれば上記の表はどういう根拠で位階付されているか不明だということです。
復讐の女神とありますが、まぁたしかにアバドンが率いてるイナゴは長い髪していましたね。
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「エノク書」とは?意味と定義
エノク書:紀元前1-2世紀頃つくられたといわれる、エチオピア正教会における旧約聖書のひとつ。エノクの啓示という形を取る黙字文書。天界や地獄、最後の審判、ノアの大洪水についての予言などが語られている。初期のキリスト教やエチオピア正教以外では偽典(旧約聖書の正典・外典に含まれない文書)。
わずか数部しか存在しないとされる。ギリシア語のエノク書の断片はシュンケルスの著作に書き留められている。エチオピア語とスラヴ語版も発見されているが、この2つは後代の伝統と信仰に属するもので、偽エノク書などと呼ばれたりしているらしい(フレッド・ゲディングズ『悪魔の辞典』)。
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エノク文献でもデーモンの位階第7位の分類名がフリアエ(Furiae)となっていて、その君主がアバドンと記されているそうです。ただエノク文献=エノク書というわけではなく、派生したものや解釈の文献ではないでしょうか。『悪魔の辞典』にはエノク文献としか書かれていません。またフリアエは「害悪、不和、戦争、破滅の種をまくものども」とも記載されています。
復讐に関する霊としてエリニュス(Erinyes)がいます。エリニュスは名誉を傷つけられたか殺されたあと、復讐のために地上にもどってくる霊で、人間の心を見出して破滅させるようです。3人のエリニュスがいるとアイスキュロスの時代には考えられていて、はそれぞれアレクト(無慈悲)と、ティーシポネー(血の復讐者)、メガイラ(闘争)と呼ばれているそうです。ローマ人はエリニュスをフリアエと訳すことがあるそうです(『悪魔の辞典』)。
『メイガス』:邪悪な戦争の王
バレットによればアバドンは邪悪な戦争の王だそうです。根拠は不明です。もっともエノク文献ではフリアエが戦争の種をまくともあるので、その関連かもしれません。
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「『メイガス』」とは?意味と定義
・1801年にバレットによって書かれた本。バレットは占星術師であり、悪魔学者。『悪魔の辞典』の著者フレッド・ゲディングズはバレットの本を批判している。「バレットは自分ひとりがよく知る理由から、ビンスフェルトが示しているような、デーモンが七つの大罪を支配することに関わる伝統というものを、変更して汚している」と評している。
悪魔の名前 | 王の種類 |
---|---|
マモン | 誘惑者の王 |
アスモデウス | 犯罪の復讐者の王 |
サタン | 幻惑者の王 |
ベルゼブブ | 偽りの神々の王 |
ベリアル | 罪悪人(カード遊びやサイコロ遊びをする程度)の王 |
メリヒム | 疫病をもたらす霊の王 |
アバドン | 邪悪な戦争の王 |
アスタロト | 告発者と審問官の王 |
ピュト | 嘘の王 |
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参考文献
参考書籍
4:堕天使―悪魔たちのプロフィール (Truth In Fantasy)
5:悪魔事典 (Truth In Fantasy事典シリーズ)
引用画像
*1:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%82%B4
*2:https://i.pinimg.com/originals/5b/74/ba/5b74bad14e32fda55cedad5b8f2cb507.jpg
*3:https://news.livedoor.com/article/detail/18480099/
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