頭を傾けると透視図法はどうなるのか


三点透視図法とはなにか
(1)三点透視図法の定義

三点透視図法とは:3つの消失点を使って描く方法。消失点の1つは上方か下方、残りの2つは地平線上に置かれる。見上げてるときか見下ろしているときで、対象が肩と斜めになっている場合につかわれる(p,r,124P)。

(2)三点透視図法の適切な視円錐

三点透視図法の視円錐は60°以内に抑えるべき(s,h,22P)。

三点透視図法と頭の傾きとの関係について
(1)基礎用語

基礎的な用語の定義を載せておきます。

立点(station point)とは:観察者が描く対象を観察する定点。高さは、非常に高い場合もあれば非常に低い場合も在る。高く見下ろす場合は、ハイアングル(俯瞰)、低い場所から見上げる場合はローアングル(あおり)(s,h,203P)。

地面(地平面,ground plane,GP)とは:画面から水平線に向けて奥まっていく水平な理論上の平面(h,s,203P)

視線(line of sight)とは:目の中心窩から、目が焦点を合わせているオブジェクトへと伸びる直線(h,s,203P)

視心(center point,CP)とは:視野の中心をいう。一般的には絵の真ん中にある(p,r,124P)。

視高(eye level)とは:眼の高さ

水平線(horizon line)とは:画面を横切る水平方向の線。この線の位置が観察者の視高(アイレベル)と一致する(s,h,202P)。

画面(picture plane,PP)とは:絵の一番手前に存在する平面で、そこに描線が描かれる。実際の画面と
同一の広がりを持つが、空間内に存在する別物。観察者と画像との視覚的な接触点(h,s,202P)

(2)頭を傾けるとはどういうことか

一点透視図法や二点透視図法では、頭が傾いていません。つまり視線と地平面は平行です。

(p,r,39P)

上記の図のように、一点透視図法と二点透視図法の違いは「対象に対する角度」です。正面なら一点透視図法、斜めなら二点透視図法です。

対象物の面を正面から見ているのが一点透視図法、対象物の角を正面から見ているのが二点透視図法といった感じです。重要なのは対象に対する「角度」が斜めか正面かの違いだということです。

一点透視図法も二点透視図法も正面からみているので視心は画面の真ん中にあります。

 

「視線は地平面に並行です。この場合には、実世界でのすべての垂直を垂直として描く、一点透視図法または二点透視図法で描きます。視線を傾ける、つまり地平面に対して並行でなくなると、三点透視図法が必要になります(s,h,22P)。」

 

ロバートソン先生が言っているのも似たようなものです。視線が地平面と平行なときは肩と地平面が平行な時です。視線が斜めになると肩と平行ではなくなります。

・描きたい対象物が観察者に対して水平に置かれていれば一点透視図法か二点透視図法

ー>対象物の向きが観察者に対してまっすぐ置かれていれば一点透視図法

ー>対象物の向きが観察者に対してななめにおかれていれば二点透視図法

・描きたい対象物が観察者に対して斜めに置かれていれば三点透視図法

 

「現代パースの基本と実際」では消点の数による分類を以下のようにしています(g,r,20P)。

・1点消点パース:平行パース

・2点消点パース:有角パース

・3点消点パース:斜角パース

見上げたり、見下ろしたり頭を傾けると三点透視図法になります

頭を傾けると視線が地平面と平行ではなくなります。

視線が地平面と並行って言われてもいまいち理解できませんよね。図を引用して説明します。青や赤色の線は書き足した線です。

 

(h,s,27P)

 

青色の線と赤色の線は確かに平行です。この図は二点透視図法です。視線とアイレベルは一致するので、視線の先に水平線(HL)がきています。右側はPPの拡大図ですが、SPを変えてもがPPの中央に常にHLがきているのがポイントです。

(h,s,27P)

 

頭を傾けると、視線も傾きます。視線が傾くと視線と地平面が平行になりません。

頭を傾けると、視線、視円錐、画面も一緒に動きます。

ここがややこしいですよね。水平線の位置は立点を変えない限り変化しませんが、画面内での相対的な水平線の位置は変化しているということです。

(h,s,27P)

右の画面拡大図では水へ線の位置が上下してることが分かります。

三点透視図法では画面の中央に水平線が来ないということがポイントです。上か下かどちらかになります。画面の中央に水平線はきませんが、視”高”の先の水平線は一点透視図法や二点透視図法の位置とかわりません。

つまり視線が変わっても水平線の実際の、絶対的な位置は変わらないということです。実際の位置が変わるのは立点が変化したときです。絶対的な水平線の位置は変化しませんが、視線が変化することによって画面も変化し、相対的な水平線の位置が変化するということです。

ここらへんはじめて読んだときは頭痛くなりましたけどなんとなく理解できました。

三点透視図法の視心はどこにあるのか
(1)一点透視図法の視心

画面の真ん中にあります。視高(アイレベル)と一致しています。

(2)二点透視図法の視心

画面の真ん中にあります。視高(アイレベル)と一致しています。

(c)三点透視図法の視心

視線が下を向けば、相対的な水平線も下を向きます。そして視心も画面の中央ではなく、したにズレます。ややこしいですよね。

 

一点透視図法の立方体 一面しか見えませんね

 

二点透視図法の立方体 二面しか見えませんね

 

ちょうど視心のところに立方体をつくるときれいに三面が見えます。視心に見える面が1つなら一点透視図法、2つなら二点透視図法、3つなら三点透視図法ですね。

 

 

(p,r,110P)

参考書・参考ページ

・「HOW TO DRAW」,スコットロバートソン,ボーンデジタル,2014,(h,sと文中では略)
・「パース教室」,ロビー・リー,ボーンデジタル,2016,(p,rと文中では略)
・「現代パースの基本と実際」,山城義彦,グラフィック社,1981(g,yと文中では略)

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