
画角とはなにか
今回作成した動画
画角とは
「画角」とは?意味と定義
・画角(英:angle of field):カメラで撮影した際、実際に写る範囲を角度で表したものです。焦点距離が長くなると画角は狭くなるため、広角レンズほど画角が広く、望遠レンズほど画角が狭くなる。ブレンダーにおいて画角と視覚は重なります。
なるほど画角が大きいほど広角になり、画角が小さいほど望遠になるわけですね。
blenderにおける画角設定
まずは初期設定にある適当な立方体を複製して配置してみます。表示はテンキーの1で正面にしておきます。
ここからテンキーの5でパース表示に切り替えます。この表示はパースでいえば一点透視図法の画面ですね。
さてここからカメラの視点に切り替えます。テンキーの0で切り替えることができます。パース用語でいうと画面(PP)表示ですね。この視点は二点透視図法に近いですね。真ん中の立方体斜め上の視点からカメラが捉えている状況です。
ちなみにカメラの位置はここです。真ん中の立方体の斜め上にありますよね。
カメラを選択して[オブジェクトデータプロパティ]の設定を見ていきましょう。レンズ単位の設定を視野角に変更することができます。これがいわゆる画角の設定です。
初期設定は39.6°のようですね。ミリメートル似直すと焦点距離は50mmと表示されています。
キャノンの説明では焦点距離50mmは画角46°で標準レンズとして設定されています。ブレンダーだと焦点距離50mmで39.6°ですこし違いますが、おおよそ広角でも望遠でもなく標準レンズのようです。
blenderにおける画角はいくつに設定するべきか?
これはなかなか難しい問題です。
カメラの枠で囲われた画面内の立方体は自然に見えますよね?歪んでていません。
おそらく視野角の設定は画面内の設定であり、画面外は39.6°の範囲に収まっていない角度なのです。物体は特定の画角を超えてしまうと歪んで見えてしまいます。
パースではよく以下のような説明がされることがあります。
一点透視図法における視円錐のベストな角度
一点透視図法におけるベストな視円錐の角度:視円錐は40°-50°(h,s,23P)
一点透視図法は歪みがきつくなる傾向があるみたいです。歪みのきつさを抑えるためには、視円錐は50°から40°にしたほうがいいですね。視円錐をせばめすぎると、望遠レンズで撮影したみたいに不自然になってしまうそうです(h,s,22P)。
二点透視図法における視円錐のベストな角度
二点透視図法におけるベストな視円錐の角度:視円錐は60°以内(h,s,23P)
大半の透視図は60°の視円錐で書かれているそうです(h,s,22P)。一点透視図法より広い視円錐を使えます。
三点透視図法における視円錐のベストな角度
三点透視図法におけるベストな視円錐の角度:視円錐は60°以内(h,s,23P)
二点透視図法と同じく60°以内に収めたほうがいいみたいです。
このように特定の透視図法では、適切な画角というものがあります。適切な画角を超えてしまうと、物体は歪んで見えてしまうのです。
上記のカメラの視点では、視野角が39.6°で、およそ二点透視図法の画面です。なので画面内は自然に収まっています。
この視点のままで、視野角をどんどん上げてみましょう。理論的には50°を超えるとどんどん画面内も歪んでくるはずです。ためしに100°まで上げてみましょう。
右側の歪んだ立方体が画面内に収まってきてしまっていますよね。
カメラの設定
次に一点透視図法的な画面に切り替えてみましょう。カメラの位置は[オブジェクトプロパティ]で切り替えていきます。
回転Xを90°、Zを0°にします。
次に位置を調整します。XとZを0にして、Yはオブジェクト全体が収まるくらいにします。
これは視野角39.6°の初期設定です。理論的には一点透視図法は視円錐40-50°が推奨とされているので、39.6°は推奨数値に近いものです。したがって画面内で不自然に歪むということはあまりありません。
試しにこの画面から、視野角を100°に変更してみます。歪んでませんよね。さてさてなぜか。
最初のカメラの位置設定で、Y軸を動かしましたよね。Y軸を動かすと、カメラ的には一体どのような挙動になっているのでしょうか。
そうなんです。Y軸をマイナスにするとはカメラが対象物から遠ざかっています。
もし画角を100°にしたまま、このカメラのY軸をプラスにするとどうなるでしょうか。つまりカメラを対象物へ近づけるとどうなるかということです。
歪んでいることがわかりますよね。実際に長さを測ると、すべての辺の長さが同じですが、どうみても同じような長さには見えなくなってしまっています。
もしこれと同じことを、画角39.6°でやってみましょう。まずは先ほどの歪んだ状態から、画角を39.6°にするだけで歪みが治ります。
Y軸を動かしても、画面内は歪んでいません。つまり一点透視図法のこの視点の場合は、適切な視野角は100°よりも39.6°だということがわかります。焦点距離でいうと50mm前後、いわゆる標準レンズの範囲内ということになります。
視野角について
これはブレンダーの画像ですが、視野角は何度でしょうか。
視野角は45°に設定したので、設定通りの結果です。
以前クリスタで視円錐を勉強したことがありますが、視野角が45°だと、おそらく45°の視円錐が画面で構成されていることになります。
SPは観察者の立点、スタンドポイントのことです。ブレンダーでSPといえばカメラの位置になります。
パースにおける視円錐とは何か?対角線の消失点とは何か?立方体はどう作るのか?
blenderで視円錐を理解する
たいしたことをするわけではありません。
出力プロパティ(Scene)で解像度の設定を変えるだけです。
解像度XをYと同じにすると、画面が正方形になります。
円は基本的に楕円ではなく正円で表現するので、長方形で擬似視円錐を造ってみました。この視円錐は45°です。
一点透視図法なら45°は十分歪まない範囲の視円錐になります。
視円錐外にオブジェクトを移動させると、歪んで見えていくことがわかります。適切な視円錐の角度内に画面を収めることの大事さがわかります。
参考文献
参考書籍
スコット・ロバートソンのHow to Draw -オブジェクトに構造を与え、実現可能なモデルとして描く方法-
引用画像
1:https://ptl.imagegateway.net/contents/original/glossary/%E7%94%BB%E8%A7%92.html
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