クリップスタジオペイントの中間色パレットとはなにか

定義

中間色パレット:基準色を2つ以上選ぶと、その中間の混色された色がグラデーション表示される機能。選択すると自動的にスポイトされる。たとえば左に黄色、右にシアンを選択すると中央値は緑色に近い色が表示される。

使い方

1:中間色パレットは[ウィンドウメニュー]から[中間色]を選択すると表示される

2:中間色パレットを二種類以上選択する。

四隅に任意の色を入力するとグラデーションができます。四隅の上にマウスを合わせると自動的にバケツマークが出るのでクリックするだけで色が入力されます。

特にこだわりがない限り、下の色は白や黒でいいと思います。重要なのは左上と右上です。明るい黄色と明るいシアンの中間色、すこし暗めの黄色と明るいシアンの中間色といった配色が可能になります。

もちろん下の色を赤色に変えたりすることもできます。

3:スポイトで色をとる

スポイト機能を使わずとも、中間色パレットの上にカーソルを合わせるとスポイト機能が自動的に表示されます。スポイトでとった色は中間色上で囲われたマークがつきます。あとはその色を使って描画するだけです。

カスタマイズ

1:色の分割数を変更できる

[中間色]パレットの左上にある[メニュー表示]をクリックするとカスタマイズ機能があります。

10分割

20分割

30分割

[ステップ数固定]とは色を何段階に分割するかということです。その分割方法が10、20、30とあります。大きな分割ほど細かい中間色を利用することができます。

2:タイル幅を変更できる

タイル幅は7pt,10pt,15ptの3つが用意されています。ptという単位は調べたらポイントの略でした。

まずタイル幅にチェックを入れると、ステップ数のチェックが消えます。つまりどちらかひとつしか使えないということです。

そしてタイル幅は自分が表示している中間色に依存しています

たとえば中間色の表示を小さくしてみます。表示の幅は端をドラッグすれば変更できます。

次に大きくしてみます。

ちなみに中間色の表示を大きくした状態で、元の10分割表示に戻すとこうなります。つまり表示幅によって分割数が変わるのはタイル幅にチェックをいれたからということができます。

タイル幅を15ptから7ptにするとさらに細かくなります。中間色の表示幅が広いほど、さらに細かくなります。ディスプレイ次第ですが、7ptや15ptは細かすぎて使いづらい印象があります。細かい色調整が必要な方は便利な機能になると思います。

1や2といった分割のメモリがないのでいちいち数えながら描くのも面倒です。すなおに10分割をつかったほうが楽な気がします。

クリップスタジオペイントの中間色パレットの考察

分割のバランスについて

中間の色とはなにかというそもそものはなしもあります。10分割なのうち左を1とすれば6の地点に色が来ています。え、これほんとに中間の色?と思う人もいるはずです。たしかに10分割だと5の位置も6の位置も中間の位置では有りません。5:1:4とアンバランスになるということです。

9分割だと5の位置が中間の位置になります。さらに9分割のメリットは2:2:1:2:2:2で、暗い、少し暗い、中間、少し明るい、明るいと均一に分けられる点です。とはいえ10分割のほうが計算が簡単そうです。さらにクリスタには9分割の中間色がないです。自分で作ってしまうのもありです。

さて10分割の場合6を更に細分化して、6の中でも5に近い数値を選ぶ必要があります。6の位置じゃシアンの割合が多い、ちょっと黄色を多くしよう。これをもっと細かくやっていくとより中間的な色が得られるようになります。とはいえいくらやっても完全な中間色にはなりませんが。

驚いたことに、6/10の位置と、16/30の位置の色が同じでした。共通しているのは1/2に1つ色を右寄りに足した色になるということです。これはもしかして左右関係ないんじゃないか?と思いました。

つまり色を左右逆にしても、6/10の位置の色は等しいのではということです。予想通りでした。左を黄色にしても、6の位置が先ほどと同じ色です。どうやらクリスタではそういう仕組みのようです。「中間色=n*1/2+1 ※nは分割数」という数式になります。例えば10分割では10*1/2+1=6、30分割では30*1/2+1=16になるということです。つまり9分割したうちの5の位置と等しい数が予測できるのではないかということです。

[隠れた分割]中間色の右端の色について

右上隅の色はRGB0.255.255です。これは私が混ぜようと思って選択した基準色です。しかし右端の色をスポイトでとると25.255.230となり色が変わってしまいます

左隅の色と左端の色は同じなので、右端特有の現象と言えます。ちなみに右上も右下も同じ現象です。0.0.0で基準色を選んだはずが、25.48.46になっています。この現象を理解するには、隠れた色の概念を使うといいと思います。

そもそもスポイトで0.255.255を中間色の右側においたはずなのに、実際の数値は違います。つまり右端には隠れた色があるということです。10分割でも実際は11分割ということです。こうすれば5:1:5になりバランスがよくなります。

つまり右から5番目、左から6番目の位置に中間の色が来るということです。もし20分割の場合は実質21分割なので、左から数えて11番目の位置に中間色がきます。

もし9分割で中間色を作成しようとすれば隠れた分割を足す必要があります。つまり8分割を行えばいいということです。8+1で実質9分割になります。

しかしタイルのpt調整をして幅を短くしても、最小分割が9なので、実質的な9分割にはできませんでした。クリスタはそういうシステムなのかもしれません。

参考文献

1:https://www.clip-studio.com/site/gd/csp/manual/userguide/csp_userguide/540_color_plt/540_color_category_plt_chukanshoku.htm

toki

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スカルプターのための美術解剖学 2 表情編

一番オススメの文献です。3Dのオブジェクトを元に作られているのでかなり正確です。顔に特化しているので、顔の筋肉や脂肪の構造がよくわかります。文章よりイラストの割合のほうが圧倒的に多いです。驚いたときはどのような筋肉構造になるか、笑ったときはどのような筋肉構造になるかなどを専門的に学べることができ、イラスト作成においても重要な資料になります。

アーティストのための美術解剖学

こちらはほとんどアナログでイラストがつくられています。どれも素晴らしいイラストで、わかりやすいです。文章が少し専門的で、難しい印象があります。先程紹介したスカルプターのための美術解剖学よりも説明のための文章量が圧倒的に多く、得られる知識も多いです。併用したほうがいいのかもしれません。

・遠近法関連

パース!

これが一番おすすめです。難易度は中です。

超入門 マンガと図解でわかる! パース教室

これは難易度は小ですが、とてもわかりやすく説明されています。

スコット・ロバートソンのHow to Draw -オブジェクトに構造を与え、実現可能なモデルとして描く方法-

難易度は大ですが、応用知識がたくさんあります。

・色関連

カラー&ライト ~リアリズムのための色彩と光の描き方~
やはりこれですかね。

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