【クリスタ】ブラシ塗りのやり方、方法、コツについて(基礎)【CLIP STUDIO PAINT】

ブラシ塗りとは

ブラシ塗りの定義

ブラシ塗りとは:アニメ塗りをベースにブラシによる塗りやグラデーションなどを加えて仕上げたもの

※アニメ塗りとはベタ塗りなどアニメーションでよく使われる塗り方です。ベタ塗りをベースに影をつけたらほぼアニメ塗りというシンプルで基本的な塗り方です。

ブラシ塗りの基本

線画と塗りつぶし

簡単に説明するために球体の線画を用意しました。

レイヤーをもうひとつ作り「塗りつぶし」で色を塗りつぶします。

線画のレイヤーは上にしておきます。下にしてしまうとこうなってしまいます。イメージでは上のレイヤーのほうが強い感じです。線画の上に塗りがかぶってしまいます。

グラデーション

ベタ塗りしたレイヤーの上にグラデーション用のレイヤーを追加します。「下のレイヤーでクリッピング」を行うことによってベタ塗りした範囲に限定してグラデーションをかけられるようになります。「通常」と書いてあるところの下にアイコンが有るので押しましょう。

グラデーションを付ける色はベタ塗りよりも暗い色にします。使うブラシは「エアブラシ」の「柔らか」です。

なぜグラデーションをかけるのか。それはよくわかりません。単純にベタ塗りに影を塗るだけでは「アニメ塗り」になってしまいます。

グラデーションで印象が変わるのかもしれません。もしくは影に沿ってグラデーションを掛ける必要があるのかもしれません。光源はだいたい上にあるので、上の方が明るく、下の方が暗くなります。

影塗り(基本的な影)

それっぽい影を入れていきます。色は少し暗めで適当に。レイヤーも分けます。ブラシは「不透明水彩」でサブツール詳細から下地混色をオフ、ブラシ濃度影響元設定をオフ、紙質を油絵に設定したカスタムブラシをつかいます。

球体が顔だとしたらこんな感じで鼻とか口の下に濃い影がつくわけです。

なぜ影が濃くなるのか。これは通常の球体の陰影です(blenderでつくりました)。

もう少し人間に近いモデルで光を当ててあげるとこうなります。

改めて見るとグラデーションを下の方にかける意味が少しわかってきます。光源はだいたい上の方にありますからね。

合成モードについて

ベタ塗り、グラデーション、影塗りとしてきましたが次は濃い影と照り返しとハイライトと反射光です。多いですがいずれもシェーディング(陰影)の基本です。

クリスタのブラシ塗り技法ではそれぞれ合成モードを使い分けて影の濃さを表現していきます。

合成モードとは「下のレイヤーに対して上のレイヤーがどういった効果で合成するかを設定する機能」です。

上とか下っていろいろややこしいですよね。レイヤーは基本的に上のレイヤーが優先されます。

赤い線と青い丸のレイヤーを用意してみました。赤い線のほうが上のレイヤーなので、赤い線がすべて描写されます。

赤い線を下にすると、青い丸が上になるので青い丸がすべて描写されます。

レイヤーをよく見ると「通常」とかかれています。これは合成モードが通常であるということです。色が混ざったりすることなく、そのまま上に上書きされていることがわかります。

スクリーン合成モードについて(パッシブライト、照り返し)

まずは照り返しをスクリーン合成モードで塗ってみます。

スクリーン合成モードでは明るい色に合成されます。合成モードでは「上」のレイヤーが「下」のレイヤーに影響します。

また「下」のレイヤーが「白色」の場合は「白色」になってしまいます。ここらへんややこしいですよね。

たとえば上のレイヤーが「青い丸」で下のレイヤーが「赤い線」だとします。そして上のレイヤーの合成モードを「スクリーン」にしてみます。通常と書いてあるところをスクリーンに変えるだけです。

合成モードはいってみれば色を変化させるアイテムみたいなものです。それ自体で形作るものではないと考えたほうが楽です。

赤色に青色を加えたら紫色になります。スクリーンモードでは掛け合わせた色を明るくするので明るい紫色になるということです。

上のスクリーンレイヤーを「緑色」、下のレイヤーを「赤色」にすると「明るい黄色」になります。

今度は黒色で考えてみます。まずはベースとなるベタ塗りレイヤーの色です。

これがそれより少し色が暗い色です。色を下げるだけです。

ベースのベタ塗りレイヤーの上にレイヤーを新しく作り、クリッピングさせます。新しく作ったレイヤーは「スクリーン」合成モードに変更しておきます。

この状態でベタ塗りより暗い色をスクリーンレイヤーで塗った場合はどうなるでしょうか。エアブラシ「柔らか」で塗ってみると「明るい黒」になりました。

青と赤を混ぜた場合は「明るい紫」になります。黒と黒を混ぜた場合は「明るい黒」になるということです。

下に青色ベタ塗りレイヤー、上に青い先のスクリーンレイヤーの場合も「明るい青」になります。

ハイライトは「覆い焼きカラー」合成モードで塗ります。多い焼きカラーは「下のレイヤーの色を明るく、コントラストを弱く」します。

先程のスクリーンレイヤーを試しに覆い焼きカラーに変更してみます。すると色がより明るくなっていることがわかります。

覆い焼きカラー合成モードについて(ハイライト,アクティブハイライト)

ベタ塗りレイヤーの上に新しくレイヤーを作り、スクリーンのときと同じような色でハイライトを加えます。ブラシは何でもいいと思いますがエアブラシの柔らかや影塗りのときにつくった

不透明水彩を使います。もう少し明るくしたいと思ったらカラーバーの色を白色に近づけるだけでOKです。

濃い影(最暗部)

つぎに濃い影を塗ります。これは特に合成レイヤーを作らず「通常」のままスクリーンのときに使った同じような色で塗ります。色の加減はカラーバーで調整すればいいので特に決まったルールはありません。全体的により暗ければOKです。ブラシはなんでもいいとおもいます。エアブラシは調整しやすいですし、不透明水彩はくっきり塗れます。

反射光

シェーディングをする際には「反射光」というののがあります。光が床にあたると反射し、オブジェクト(物)にあたり明るくなります。

別レイヤーを作り少し明るい色で反射光を加えます。ブラシはエアブラシの柔らかを使います。透明度を下げたり消しゴムで消したりして明るさを調整しましょう。

ブレンダーで球体をつくっても同じように反射光が描写されます。薄っすらと明るくなっていることが見てわかります。

青い影

濃い影は青色系の色を足すことでより暗さが表現できるそうです。透明水彩で塗ります。

ぼかし作業

色の境界がくっきりしすぎているので色混ぜツールのぼかしで、それぞれのレイヤーの気になる部分をぼかしていきます。

線画レイヤーを非表示にするとこのような感じなります。こうしたシェイディングがブラシ塗りの基本です。

あとは投影に当たる影を濃い色でぬっていけばより完成に近くなります。レイヤーは一番下にしましょう。

たとえば肌色にしたい場合はベタ塗りの色をベースにしておなじことをすればいいだけです。

ブラシ塗りを厚塗的に変換させる方法,合成モードをカラーに

今回はモノクロで影を調節したので厚塗り風に変換することもできます。いままでつくってきたレイヤーの一番上に新しくレイヤーを作ります。

色は適当に肌色で塗りつぶしておきます。そして合成モードを「カラー」にします。色が濃いと思ったのでベタ塗りの透明度を少し下げておきました。

ブラシ塗りのやりかた(実践編)

ベタ塗りからグラデーションをかける

まずは適当な線画を用意します。

次にベタ塗りをします。サブツールの塗りつぶしで色を塗ります。

レイヤーは分けて作りましょう。色塗りのレイヤーは上ではなく下に設置します。線画のレイヤーより上にベタ塗りのレイヤーがあると線画に影響してしまうからです。

グラデーションは別のレイヤーを作り、クリッピングします。青い丸で囲った部分を押すとクリッピングすることができます。

クリッピングをすると下塗りした色からはみ出さずに塗ることができます。

グラデーションはエアブラシの柔らかを使用します。色は下塗りした色よりもすこし暗めの色を使います。レイヤーの色は透明度などで調整するのもいいかもしれません。

なぜグラデーションをかけるのか、それは私にもよくわかりません。おそらく光の当たり具合とかが関係していると思います(多分)。

帽子の下は暗め、顔の下の部分は暗めに設定しました。

人間の顔にはだいたい髪があります。髪の下は影になるので、肌も暗くなります、なので暗めにするといいと思います。

画像は光源が左上にある画像です。当然影は右側に集中します。それと同時に影は顎のあたりにも集中していることがわかります。

おそらくこういった事情からグラデーションをかけているのだと思います(多分)。

同じような理屈で影が掛かりそうな首のあたりにもグラデーションをかけます。

まず思ったのが顔と首はわけたほうがいいかもしれません。首だけグラデーションをかけたいのに、顔までかかってしまうからです。

というわけでこのようなレイヤーになりました。

首だけグラデーションを掛けてみました。

1:基本的な影を塗る

影を塗るわけですが、ブラシの設定をする必要がありそうです。不透明水彩を複製し、下地混色をオフ、ブラシ濃度の傾きをオフにします。(記事のあとの方で気づきましたが紙質を油絵にしておきましょう。)

ブラシの設定は歯車のマークを押すとでてきます。

作成したブラシでそれっぽいところに色を塗っていきます。影のレイヤーもクリッピングをすることで塗りやすくなります。色は透明度などで調整してください。

2:合成モードを利用して影を塗り分ける

1:スクリーンモード

レイヤーを新しく作り、下塗りにクリッピングを行い合成モードを「スクリーン」にします。

「スクリーン」は色を明るくする効果があります。ここでは照り返しに使います。

え?「照り返し」とはなにかですって?よくわかりません。

物体に光が当たると明るい部分と暗い部分ができます。一番明るい部分をハイライトとかいいますよね。

うーん・・照り返し!。反射光とは違うんですかね。物体に光が当たると床とかに光があたり、それが反射して物体に光があたり明るくなるアレです。

この本では目の下に照り返しをいれると書かれています。

これが反射光です。

これがハイライトです。

困ったことに本書では別の項にハイライトと反射光があります。照り返しとはなにか。

あれじゃないんですかね。おハゲになられている方に光が当たると眩しく照り返すじゃないですか。

顔面に光が当たるとおでこ、鼻、頬、唇等がまず光に当たりそうです。鼻は出っ張ってますからかなり最初の方にあたるわけです。なのでハイライトとかつくわけです。

頬も鼻ほどではないですが光がそれなりにあたるわけで、つまり明るくなるわけです。それが照り返しではないでしょうか。

イメージではこのへんです。ハイライトよりは暗めで、影よりは明るめで、中間よりも明るめでみたいな。スコットロバートソンの「HOW to render」によればパッシブライトというみたいですね。

前置きがながくなりましたがさっそく合成モードをスクリーンにして塗ってみます。ブラシは「エアブラシ」の「柔らか」を使います。影の色は暗めでいいと思います。暗い色でも合成レイヤーがスクリーンなので明るく描写されます。私は影で塗った色と同じ色を使いました。塗ったのは頬と唇です。

え?変わってないって? そうかもしれません。一応上のやつが照り返し入れる前です。各自調整という便利な言葉でここは飛ばします。

ついでに「濃い影」もいれます。スコットロバーソン的には「最暗部」というそうです。ダークライトみたいなかっこい言い方を期待していましたがまあいいでしょう。より暗めの色をつかいます。カラーサークルを黒に少し近づけるだけです。

鼻とか帽子の下とかに暗めの影を入れていきます。髪がある人は髪の影になるようにダークライト!!をいれていきましょう。

ブラシは同じですが、合成モードを通常のレイヤーを使います。レイヤーが増えてめんどくさいって?たしかにそうですね。

3:覆い焼きカラーモード

ついにきましたハイライトです!!ロバートソン的に言うと反射性ハイライトです。

合成モードを「覆い焼きカラー」に変えるだけで明るくなるそうです。スクリーンでも明るくなりましたが、もっと明るくなるみたいです。

ブラシはエアブラシの柔らかをつかいました。色は変えなくても勝手に明るくなります。鼻筋とか唇のワンポイントに入れます。

3:影を調整する

調整

調整・・・便利な言葉ですね。正直よくわかりません。

別レイヤーを作って鉛筆の「濃い鉛筆」で調整するそうです。

影に青色を混ぜる

暗い影の部分に青色を混ぜることでより暗くする効果があるそうです。ブラシは透明水彩の柔らかです。

色はRGB:110:93:89の青です。

仕上げ

合成モードを乗算にして柔らかブラシで全体的にグラデーションをかけるみたいです。

その他

顔以外を適当にやってみた

基本的に顔のブラシ塗りと同じです(多分)。

髪をブラシ塗りする

まずはベタ塗り。

レイヤーを作り、ベタ塗りにクリッピングをしてから少し濃い色でエアブラシでグラデーション。基本的に影を塗るときはすべ最初のベタ塗りにクリッピングです。

レイヤーを作りクリッピングをしてGペンで影を入れる。

(ひげを忘れてたので何事もなかったかのように追加しました。)

濃い影を透明水彩で加えます。

URL:https://www.google.com/url?sa=i&rct=j&q=&esrc=s&source=images&cd=&ved=2ahUKEwjK8c6C2OPiAhVvGKYKHSm1DTYQjRx6BAgBEAU&url=https%3A%2F%2Farine.jp%2Farticles%2F22772&psig=AOvVaw31HsjhK3YOHL-8-yX_AFFU&ust=1560420089164990

髪のテカリというかハイライトの付け方がわかりません、イメージではところどころ明るくなるんですが、今は勉強不足なのであとに回します。

明るい部分はレイヤーを多い焼きカラーで、ハイライトは加算(発光)モードで付け足します。

同じように帽子や服も塗って完成です。まだまだ検討の余地がありそうです。

参考書籍

~おすすめなのでぜひ~
・キャラ塗り上達術(インプレス)
・グリサイユ画法(玄光社)
・how to render(デジタルボーンインク)

toki

投稿者プロフィール

https://souzoudiary.com/やhttps://souzoumatome.com/、https://souzouhou.com/も運営しています。
アーティストに役立つような情報をまとめ、人間関係の手段として芸術が寄与すればいいなと思っています。学んだもの、考えたものは自分だけが独占するのではなく、共有するべきものだと思っています。
連絡は@mmnntmrのTwitterのDMでお願いします。基本的にこのアカウントしか見ていません。
絵に関して調べてほしいことがあればできるだけ対応しますのでぜひ連絡をくださいm(_ _)m

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・人体の描き方関連

やさしい人物画

ルーミスさんの本です。はじめて手にした参考書なので、バイブル的な感じがあります。

人体のデッサン技法
ジャック・ハムも同時期に手に入れましたが、比率で考えるという手法にルーミス同様に感動した覚えがあります。ルーミスとは違う切り口で顔の描き方を学べます。

・解剖学関連

スカルプターのための美術解剖学: Anatomy For Sculptors日本語版

スカルプターのための美術解剖学 2 表情編

一番オススメの文献です。3Dのオブジェクトを元に作られているのでかなり正確です。顔に特化しているので、顔の筋肉や脂肪の構造がよくわかります。文章よりイラストの割合のほうが圧倒的に多いです。驚いたときはどのような筋肉構造になるか、笑ったときはどのような筋肉構造になるかなどを専門的に学べることができ、イラスト作成においても重要な資料になります。

アーティストのための美術解剖学

こちらはほとんどアナログでイラストがつくられています。どれも素晴らしいイラストで、わかりやすいです。文章が少し専門的で、難しい印象があります。先程紹介したスカルプターのための美術解剖学よりも説明のための文章量が圧倒的に多く、得られる知識も多いです。併用したほうがいいのかもしれません。

・遠近法関連

パース!

これが一番おすすめです。難易度は中です。

超入門 マンガと図解でわかる! パース教室

これは難易度は小ですが、とてもわかりやすく説明されています。

スコット・ロバートソンのHow to Draw -オブジェクトに構造を与え、実現可能なモデルとして描く方法-

難易度は大ですが、応用知識がたくさんあります。

・色関連

カラー&ライト ~リアリズムのための色彩と光の描き方~
やはりこれですかね。

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